海洋技術科 船員への第一歩!
【高校3年間で船舶の基礎を学び、船舶企業へ就職します】
海洋技術科は内航商船(タンカーや貨物船、自動車運搬船)やフェリー、タグボート、そして大型漁船など、大型船舶の「船員」を育てる学科です。
1.学習内容
(1)1年生…船や海に関する基礎的なことを学びます。
船舶基礎・・・・・・・船舶の構造や運航、機関の仕組みや構造などについて学びます。
水産海洋基礎・・・・・船に関わる海洋や漁業、水産業などの仕組みや法律などについて学びます。
水産海洋基礎実習・・・ロープの取扱いや金属工作、カッター訓練、操船法などの実習を行います。 えひめ丸に乗船し、1週間程度の航海実習も行います。
普通科目・・・・・・・国語や数学、英語などの普通科目も学びます。
(2)2・3年生…次の2つのコースのうち、いずれかを選択して進級します。
ア 海洋漁業コース…<将来、航海士や船長、甲板員を目指すコースです>
卒業までに『四級海技士(航海)』筆記試験の合格を目指します。
※ 卒業すると『五級海技士(航海)筆記試験』が免除されます。
航海・計器・・・航海するために必要となる航海計器、地文航法、天文航法、航路標識、潮流や海流、航法に関する法律などについて学びます。
船舶運用・・・・船舶の構造や操船方法、海上気象、船体整備術、船員に関する法律などを学びます。
総合実習・・・・操船シミュレーターと小型実習船を用いた操船技術の習得、ロープ及びワイヤーロープの接着方法など、甲板部乗組員に求められる技術を身につけます。
イ 海洋工学コース…<将来、機関士や機関長、機関員を目指すコースです。
卒業までに『内燃機関四級海技士(機関)』筆記試験の合格を目指します。
※ 卒業すると『内燃機関五級海技士(機関)筆記試験』が免除されます。
船用機関・・・・・船舶の主機関の構造、仕組み、運転法、ポンプやプロペラ、冷凍機などの仕組みや構造などについて学びます。
電気理論・・・・・船内での発電の仕組みや発電機の保守管理の他、電気に関する基礎知識を学びます。
機械設計工作・・・金属材料の性質や強度などの計算法、加工法、工作機械の扱い方、金属製品の設計(コンピュータによる製図)などを学びます。
総合実習・・・・・旋盤を用いた金属製品の製作、ガス溶接、アーク溶接、小型エンジンの分解・整備、陸上設置の主機、発電機、ポンプの起動と停止、電気回路等、 機関部乗組員に求められる技術を身につけます。
ウ 各コース共通
乗船実習
・えひめ丸に乗船し、2週間程度の短期航海とまぐろ延縄実習を行う2か月間の長期航海に乗船し、各コースに分かれて甲板部又は機関部の当直実習を行います。
海技免許講習
・海技士免許取得に必要な全ての海技免許講習を行います。国際条約や国内法に伴う海技免許講習に必要な実技も積極的に取り組んでいます。
五級海技士第一種養成施設
・海洋技術科は五級海技士の養成施設です。また、卒業すると五級海技士取得に必要な乗船履歴が、通常の3年間から1年6か月間に短縮されます。
2.卒業後の進路
海洋技術科卒業生のほとんどが海上職への就職又は船員・水産関連の進学になります。
(1)過去3か年の主な就職先
ア 船舶(タンカー、貨物・運搬船、タグボート)※船員
三鳳汽船㈱、正豊海運㈲、山本汽船㈱、浅川汽船㈱、三ツ浜汽船㈱、喜福汽船㈲
宇和島運輸㈱、石崎汽船㈱、松山・小倉フェリー㈱、四国開発フェリー㈱
住宝丸活魚運搬㈱、大栄水産㈲、内海曳船㈱、堀田建設㈱、三國屋建設㈱
イ その他の就職先
イヨスイ㈱、観音寺海産(株)、白地水産㈱、海上自衛隊
(2)過去3か年の主な進学先
本校専攻科漁業科機関科、波方海上技術短期大学校
※ 専攻科を卒業することで三級海技士の資格取得が可能となります。
3.海洋技術科への求人数
船舶企業からの「平成30年度求人状況(船員求人票)」は以下のとおりです。今後も海洋技術科への船員求人数はさらに増加傾向にあります。
船種 | 求人件数 | 求人数 |
貨物・運搬船 | 11 | 21 |
タンカー | 38 | 79 |
フェリー | 6 | 18 |
タグボート | 12 | 25 |
海洋調査船 | 3 | 6 |
漁船 | 20 | 45 |
官公庁船 | 11 | 40 |
合計 | 101 | 234 |
4.海技関連の取得資格
ア 登録船舶職員養成施設
五級海技士(航海又は内燃機関)の筆記試験が免除されます。
イ 登録海技免許講習
救命講習、消火講習、航海英語講習又は機関英語講習、レーダ観測者講習、レーダ・自動衝突予防援助装置シミュレータ講習が海洋技術科の授業に組み込まれています。
※ 上記ア及びイは卒業時に修了証明書を発行します。
ウ 登録小型船舶教習
海洋漁業コースを卒業すると「一級小型船舶操縦士」免許を取得できます。
エ 航海当直部員資格認定
海洋技術科を卒業すると「航海当直部員資格」の認定を受けることができます。
オ その他の海技関連資格
・ 第一級海上特殊無線技士
外部機関講師により本校で受講し、取得できます。
・ 四級海技士(航海又は内燃機関)筆記試験受験
海洋技術科では国家試験対策として、補習授業等も行っています。
※ 卒業生の中には本科海洋技術科在学中に三級海技士筆記試験合格者もでています。
5.身体検査及び健康診断
海技士免許を取得するためには、「船舶職員及び小型船舶操縦者法」に規定されている『身体検査』の合格が必要となります。また、船員として船舶に乗船する場合は、「船員法」に規定されている『健康診断』に合格しなければなりません。
(1)海技士身体検査証明書の主な検査項目
視力、色覚、聴力、疾病、身体機能の障害
(2)船員手帳「健康証明書(健康診断)」の主な検査項目
ア 感覚器、循環器、呼吸器、消化器、神経系その他の器官の臨床医学的検査
イ 運動機能、視力、色覚、聴力及び握力の検査
ウ 身長、体重、腹囲、肺活量及び血圧の検査
エ 胸部エックス線直接撮影検査及びかくたん検査
オ 検尿(蛋白及び糖の有無)
※ 詳細事項等につきましては直接、本校海洋技術科までお問い合わせ下さい。